こんにちは、こかげです。
息子が中3の夏、私たちはようやく通信制高校を本格的に調べ始めました。
それまでは「何とかして全日制高校に」と思い続けていました。息子も、100%全日制を諦めていたわけではなかった。
でも現実として、2年以上ほとんど登校しない息子と暮らしていると——家にいることが「当たり前」になっていた私がいました。
学校のこと以外なら、全く問題のない息子。穏やかで、過敏性腸症候群の症状も出ない。そんな彼を見て、やっと「通信制も選択肢に入れよう」と思えるようになりました。
この記事はあくまでわが家の体験談です。どの学校が良い・悪いということではなく、それぞれ合うお子さんがいると思っています。わが家が実際に参加した5校のオンライン個別相談・見学・説明会の正直な感想を、参考のひとつとしてお読みいただければ嬉しいです。
まず親だけで見学に行った理由
最初は、息子を連れて行きませんでした。理由はひとつ。「不登校だから通信制」という選択が、息子にとって「絶望の進路」に映ってしまわないか、怖かったのです。
でも今振り返ると——本当は、私自身が通信制高校についての知識をほとんど持っていなかった。だから、漠然と怖かったのだと思います。「通信制=良くないところ」という勝手なイメージを、私自身が抱えていたんですね。
その不安を、息子に映してしまわないか。学校の雰囲気を見て「ワシはここしか行けないんだ……」と感じてしまったら——そう思うと、連れて行く勇気がなかった。
だからまず親がふるいにかける。「ここなら連れて行ける」と思える学校だけを、息子に見せようと決めました。
見学・説明会に行った学校
わが家が参加したのは、オンライン個別相談・見学会・説明会を含めて5校です。
- トライ式高等学校
- N高
- Gakken高等学院
- 四谷学院通信制高校
- ベネッセ高等学院
すべてサポート校付きの学校を選んでいました。サポート校とは、通信制高校の生徒が3年間でスムーズに卒業できるよう、学習・生活・心のケアまで総合的に支えてくれる民間の教育施設です。イメージとしては「学校生活全体を伴走してくれる塾」のような存在です。
ただ、これはあくまでわが家の選択です。すでに信頼できる塾や家庭教師がいるご家庭なら、サポート校は不要かもしれません。大事なのは「サポート校が何をサポートしてくれるのか」を確認し、それが自分たちのニーズと合っているかを見極めることだと思います。
そのうえで、わが家がサポート校付きを選んだ理由は3つです。
- ①通信制高校+サポート校がセットになっている方が管理しやすい
- ②トータルの費用はほぼ同じ
- ③一般的な塾は不登校経験者の扱いに慣れていない(大手予備校に通って痛いほど実感していました)
【トライ式高等学校】
見学方法:対面
第一印象:少し暗め。そのキャンパスだけかもしれませんが。
私がトライ式に期待していたのは、完全マンツーマン指導でした。家庭教師をつけた経験がなかったので、「その子にピッタリ合う先生に出会えるかも」という期待があったんです。ただ、実際に考えてみると——ピッタリの先生に出会うまでには、数人の先生に依頼して相性を見ていく必要があり、時間もお金もそれなりにかかりそうだと感じました。
そして、これはうちの息子の場合ですが。一対一だと、かえって気を遣ってしまうタイプだったんです。逆に、一対一でじっくり向き合うのが合う子なら、トライ式のマンツーマンはとても良い環境だと思います。
気になった点もありました。「学校に行けなくて、辛かったよね」という、可哀想な子を見るような発言がどうしても引っかかりました。寄り添ってくださっているのだとは思います。でも——息子を可哀想な子として見てほしくない。それが正直な気持ちでした。
良かった点は、「もとの中学への復帰を目標にする」「出席認定のために中学校と連携する」という方針でした。学校に戻ることを諦めていなかった当時の私には、魅力的に映りました。
こんな子には合うかも:元の学校への復帰を目指したい子、一対一でじっくり向き合いたい子。
わが家には合わなかった理由:「支援される側」として見られる雰囲気が、息子の自尊心に合わないと感じた。
※これはわが家の場合の感想です。同じ学校でもキャンパスや担当者によって印象は異なります。
【N高】
見学方法:オンライン説明会→対面キャンパス見学
第一印象:私から見ると、とても印象が良かったんです。ある程度のノウハウが蓄積されていて、新しいことにチャレンジできそう。カリキュラムも今どきで、ITや自由な学び方を重視するスタイルは、息子に合っていると感じました。
ただ、気になった点もありました。生徒数がとても多く、少し気後れしてしまったんです。
そして——実際のキャンパスに息子を連れて行くと、説明会の前半が終わったところで「もう帰る!」と、突然機嫌が悪くなりました。家に帰ってから理由を聞くと。司会者メンターの「学校に行かないことを選択した君たちはカッコいい」という発言に、憤りを感じたとのこと。
「そんなん、普通に学校に行ける方がいいに決まってるやん!!!」
怒りは収まりません(笑)。でも、その言葉を聞いて、私は少し驚きました。息子はちゃんと、ごく普通の感覚を持っていた。私、息子を見くびりすぎていたかもしれない。そう思いました。
こんな子には合うかも:ITやオンライン学習が好きな子、自分のペースで自由に学びたい子、発信や創作活動に興味がある子。
わが家には合わなかった理由:「不登校を肯定しすぎる」雰囲気が息子の感覚と合わなかった。
※これはわが家の場合の感想です。同じ学校でもキャンパスや担当者によって印象は異なります。
【Gakken高等学院】
見学方法:オンライン説明会のみ
正直にお伝えすると、Gakkenはオンライン説明会のみだったので、詳しくお伝えできるほど深く理解できていません。そのうえで、なんとなくピンと来なかった、というのが率直なところです。
オンラインで受けた印象としては、不登校の子を、まるで壊れ物を扱うような、大切にされすぎる雰囲気を感じました。寄り添いは大事です。でも、ここを卒業した後、社会の荒波に放り出された時、どうするんだろう?そこがどうしても引っかかりました。
こんな子には合うかも:丁寧で手厚いサポートを求める子、繊細で慎重なステップが必要なお子さん。
わが家には合わなかった理由:過保護すぎる雰囲気が、息子の自立心の育成に合わないと感じた。
※これはわが家の場合の感想です。同じ学校でもキャンパスや担当者によって印象は異なります。
【四谷学院通信制高校】
見学方法:個別オンライン説明会
四谷学院もオンラインのみだったので、得られた情報は多くありません。丁寧に説明してくださいましたが、全体的に方向性やカリキュラムがまだ整っていない印象を受けました。
ベネッセと同じく開校1年目のサポート校でしたが、同じスタートとして比較すると、少し物足りなさを感じました。説明を聞いても「学校設立の思い」がピンとこなかったのが正直なところです。5校の中で一番「塾」に近い雰囲気でした。
こんな子には合うかも:とにかく勉強に集中したい子、学習サポートを重視したい子。
わが家には合わなかった理由:開校直後の不安定さと、学校設立の思いが伝わりにくかった。
※これはわが家の場合の感想です。同じ学校でもキャンパスや担当者によって印象は異なります。
【ベネッセ高等学院】——わが家が選んだ学校
見学方法:オンライン説明会→対面キャンパス見学(計3回)
第一印象:退学した私立中学を思い出させました。落ち着いていて、穏やかな生徒さんたち。安心して通わせられる。これは親にとって、正直とても大事なことでした。
選んだ理由① 学院長の熱量
ベネッセ高等学院は、学院長が直接セミナーや学校説明会を週に1度ほどの頻度で行っていました。不登校やいわゆる集団になじみにくい子をたくさん見てきた経験から来る言葉に、安心感と信頼感を覚えました。同じ開校1年目の四谷学院と比べても、学院への思いの熱量が明らかに違って見えました。
選んだ理由② 息子が3回通って決めた
ミスマッチを起こすわけにはいかない——そう思い、こう進めました。
- 1回目:見学会→息子が気に入る
- 2回目:見学会(印象が変わらないか確認)
- 3回目:平日の通常の様子を見学
3回通って、息子から「ここで3年間通うイメージができた」という言葉が出ました。その言葉を聞いて、出願を決めました。合わない場所では機嫌が悪くなることが多かった息子。だからこそ、3回通っても変わらなかった穏やかな様子が、何より信頼できる答えでした。
選んだ理由③ 入学後に感じた手応え
入学後も、選んで正解だったと感じる場面が続いています。月に2回ほど、各界の専門家を招いたオリジナル授業があります。チャットを使って意見を出し合えるスタイルで、息子が「自分ごと」として参加できています。その授業があった日は、夕食時に「今日こんな話があってさ」と話しかけてくることも。不登校の頃には想像できなかった姿です。
学校選びで大切にしたい「直感」
5校を見学して、私が強く感じたことがあります。それは、「直感」は意外と当たる、ということです。
実はこれは、4人のお子さんを全員大学へ進学させた先輩保護者の方から教えていただいた言葉でもあります。
「条件が全部そろっていても、何となくピンと来ないことがある。逆に、理由は説明できないけれど『ここだ』と思える学校もある。その直感は大切にした方がいいよ。」
その言葉は、今でも印象に残っています。
もちろん、直感だけで決めるのは危険です。費用や通学時間、学習内容など、確認すべきことはたくさんあります。でも、最後に背中を押してくれたのは、「ここなら大丈夫そう」という親子の感覚でした。
わが家が本当に決め手にしたこと
記事のタイトルにも書いたように、わが家が最後に決めた理由は、学校名でも、知名度でも、費用でもありませんでした。一番の決め手は、息子が信頼できる人に、指導を任せたかったということでした。
普通の学校では、1人の教師が40人近くの生徒を受け持ちます。先生がどれだけ熱心でも、一人ひとりの個性を深く知るには限界があります。
通信制高校を選んだことで、息子には通信制の担任とサポート校の担任、2人の先生が関わってくれるようになりました。しかもサポート校の担任は、授業を教える先生ではありません。だからこそ、生徒一人ひとりの個性や状態を、もっと深く理解してくれるのではないかと期待していました。
実際、そうでした。
課題がどうしても出せなかった息子が、サポート校の担任との関わりの中で、少しずつ動き出したことがありました。親からの声かけではどうにもならなかったあの時、先生の存在が大きな力になってくれたのです。
👉 その時の話はこちらの記事に書いています。
私は仕事で人と関わる中で、いつも感じていることがあります。どれだけ立派な理念や教育方針を掲げていても、それを実際に形にするのは現場で働く人だということです。会社でも学校でも、それは同じではないでしょうか。
パンフレットには素晴らしい言葉が並んでいます。ホームページにも魅力的な教育方針が書かれています。でも、その思いを日々子どもたちへ届けるのは、担任の先生であり、教室長であり、毎日接してくれる現場の方々です。
だから私は、説明を聞きながら、こんなことを考えていました。「この先生なら、息子を安心して任せられるだろうか。」「困った時、この先生なら一緒に考えてくれるだろうか。」
その視点で見たとき、一番しっくりきたのが、わが家が選んだサポート校でした。
もちろん、これは偶然の出会いだったのかもしれません。同じ学校でもキャンパスが違えば先生も違います。担当者が変われば印象も変わるでしょう。だから私は、「○○高校がおすすめ」と言いたいわけではありません。ぜひ、お子さんと一緒に実際に足を運び、先生と話をしてみてください。その空気感は、パンフレットだけでは分かりません。
まとめ
パンフレットやホームページだけでは、分からないことがたくさんありました。各校を見学して感じたのは、費用はどこも大きくは変わらないということ。だからこそ、キャンパスの雰囲気や、先生との相性が、学校選びではとても大切だと感じました。
通信制高校選びに、絶対の正解はありません。わが家も、「これで本当にいいのかな」と何度も悩みました。だからこそ、一つの学校を3回見学し、息子の表情を見て、「ここなら3年間通える気がする」という言葉を待ちました。
今振り返ると、完璧な学校を探していたのではなく、「今の息子に合う場所」を探していたのだと思います。
焦らなくて大丈夫です。時間をかけて、親子で納得できる学校を探してください。その時間は、決して遠回りではありません。きっと、お子さんのこれからの3年間を支える、大切な土台になるはずです。
この記事が、通信制高校選びで悩んでいるご家庭の参考になれば、とても嬉しく思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


コメント